• 口腔内腫瘍

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    私、土曜日曜とお休みをいただき神奈川県で行なわれた「第27回日本獣医がん研究会」に行ってきました。ご迷惑をおかけしてすいませんでした。
    今回のメインテーマは「口腔内腫瘍」でした。
    口腔内腫瘍は悪性のものが多く、動物は言葉が話せない上にお口(奥地)の中なので発見されるは腫瘍が進行してからのことも少なくありません。
    この口腔内腫瘍の一番の治療はやはり手術になります。
    しかし相手は「がん」ですから簡単な手術では再発してしまいます。
    なので口腔内悪性腫瘍の手術はほとんどが顎の骨を含めて取る手術になってしまいます。場合によっては鼻を取ることもあります。
    顎を取るとか鼻を取ってしまうというと嫌だと思う気持ちはわかりますが、「がん」を取るんです。がんを取らないといずれ顎も鼻も全部がんに侵されてひどいことになってしまうんです。
    僕は動物たちを治療するに当たって必ずその子が将来どうなるかを考えます。関節炎だとしたら今はそんなにひどくないけど3年後には歩けなくなってしまうかもしれません。だから今からそうならないように努力してもらいます。口腔内腫瘍の手術もそうです。今は腫瘍が小さくて平気だから(多分動物的には平気ではないはず)手術はしないのではなくて、3ヵ月後に大きくなってご飯が食べられなくなってしまう前にするんです。
    先日当院で上顎の先端を切除したワンちゃんがいました。そのこは老齢で僕も手術をするかどうか迷いましたが、今はとても元気で絶好調です。
    想像したくないことですが、もし自分の家族である動物たちが病気になってしまったとき、その子の将来のことを考えた今できる最良の治療を主治医の先生とよく相談して決めてあげてください。

    ※写真は愛犬セロの若かりし頃の歯ブラシシーンです。
    歯ブラシを習慣付けることによって歯周病予防はもちろんのこと、日々の口腔内のチェックが出来るようになりますよ。