ひととして
病院にはいろいろな動物たちが来院しますが「ノラ猫」をつれてこられることも多いです。つれてこられる状況は様々です。
「増えてしょうがないから不妊手術をしてほしい」
「道路で倒れていた」
「怪我をしてるようだ」
「ダンボールに子猫が入っておいてあった」などなど。
僕はそういう猫を連れてきた人に対してある程度治療費を請求します、そして治療後の世話もお願いします。少し冷たいと思われるかもしれませんが、理解してほしいと思います。
実際、皆さんいらないと言っても治療費を払ってくれたり、里親を一生懸命探してくれます(この町の人はみんないい人たちです)。
昨日も死にそうな状態で運ばれてきたネコちゃんが元気になりとても優しい人に引き取られていきました。
しかし昨夜、僕が人として一番許せないことがありました。
昨夜は妻と外食をしました、帰ってくると玄関の階段の下に猫が入っていそうなピンクのかわいいキャリーバックがおいてありました。僕が神奈川の平塚で勤務していたときもこういうことはたまにあったので、「子猫でも捨てていったんだろうな」と思い、ふたを開けたらなんとおおきなかわいいネコちゃんがいるではないですか、そしてその瞬間ネコちゃんはびっくりしてどこかへ行ってしまいました。探してももうどこにもいませんでした。不用意にあけた自分を責めましたが、同時にその子をおいていった人に怒りを覚えました。
「何も言わず大きくなった猫を人の家の玄関先においていく」
これは「幼稚園ぐらいの自分の子を捨てる」と同じです。
どんな事情があるか知りませんが人として最悪最低です。今頃そのネコちゃんは右も左もわからないところで震えながら飼い主に見つけてもらえるのを待ってるのだろうと思うとほんとに悲しいです。
少しの期待を持って玄関先にはまだそのキャリーバックをおいてあります。
ネコちゃん帰ってこないかなあ