動物が迷子になったら?
動物が迷子になったら?
動物病院には迷子になったワンちゃんやネコちゃんの問い合わせや迷子になっていた動物を拾ったという方が来院されることも少なくありません。また町中では「この子を知りませんか?」といったポスターを見かけたことがみなさんもあると思います。現在、日本で迷子になっているワンちゃんだけでも年間16万頭もいるそうです。そして飼い主さんの元に戻るのは1万6000頭ほどで全体の一割程度だそうです。私も子供のころ飼っていたシェルティーが逃げ出し、帰ってこなかったというつらい経験をしています。今でもその子は温かい家族にきっと拾われて一生を全うしたのだと信じています。
近くの動物病院に連絡をするのもいいでしょう。
一般的にワンちゃんの場合は鑑札を首輪に付けるようになっています。またネコちゃんでも首輪に名前や連絡先を書いておくのがいいでしょう。
最近では マイクロチップ という電子標識も少しずつ普及してきています。動物を飼われている方なら耳にしたことがあるかもしれませんが、どういうものかとまだ知られていないのが現状ではないでしょうか?
マイクロチップとは動物の体に埋め込む小さなチップのことで、専用の読み取り器で識別を行い、飼い主さんの住所や名前などを短時間に判明することが出来ます。メーカーによって情報の内容やチップの大きさなどは異なりますが、なつきどうぶつ病院では『ライフチップ』というマイクロチップを扱っています。
ライフチップってどういうもの?
『ライフチップ』は、長さが13,5ミリ、直径2ミリという、ごく小さなカプセル状のもので、皮膚の下に埋め込みます。そして、専用のID番号読み取り器(リーダー)を近づけるだけで、検索用の15桁のID番号がすぐにわかります。
どうやって埋め込むの?
体に埋め込むと聞くと、手術が必要なのかとか痛そうといった心配があると思いますが、専用の注射器で予防接種をするように行います。
通常の注射器に比べると太めの針ですが、痛みは予防接種を受けるときと同じくらいと言われています。
実際にcero くんにライフチップを入れてみました。
安全性は?
体に優しい素材を使っていて、体内を移動することもありません。世界中で 450 万頭以上に埋め込まれてきましたが異物反応などは報告されていないようです。
また飼い主さんのプライバシーを守るセキュリティーも万全で、情報照会には24時間対応しています。
メリットは?
迷子になってしまったときに
身元が判明するので迷子になっても飼い主さんのもとへ戻りやすくなります。
なつきどうぶつ病院では迷子で来院された動物にはリーダーで照合を行っています。
海外渡航時に
日本を含め、マイクロチップを使った識別を動物検疫制度として義務化している国も少なくありません。動物のパスポートみたいなものです。
災害や盗難時に
首輪や名札では外れてしまう可能性もあるのでより確かな身元情報として力を発揮します。
兵庫県獣医師会では、阪神淡路大震災時に飼い主さんとはぐれた犬猫が多数発生した経験から、積極的にマイクロチップのチッピングを推進しているそうです。
現在普及段階にあるため全国の保健所にマイクロチップを読み取るためのリーダーがあるとは限りません。しかし普及に向かいマイクロチップのデータを管理しているデータセンター施設も整備されていますので、迷子になってしまった動物たちがみつかる可能性が高くなっています。
なつきどうぶつ病院では主に迷子になってしまった動物たちにかわいそうな思いをさせてしまわないように、マイクロチップの普及を目指しています。
私個人的には GPS 機能がついたマイクロチップが早く作られないかと思っています。そして携帯電話などでどこにいるかを探せられるといいですね。
マイクロチップについてご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。