口腔内扁平上皮癌
今回の病気は読んで字の如くお口の中の癌です。
今までの日記で何回も書いているようにワンちゃんは比較的お口の中に腫瘍が出来やすいわけですが、発見が早ければその腫瘍と一緒に顎の骨、もしくは顎ごと摘出すれば根治も不可能ではありません。
でも今回紹介するワンちゃんはそういうわけには行きませんでした。
下の顎半分が全体にわたって癌に侵されていたのです。
手術で取るとしたら、下顎半分を全て取らなければいけません。
でも僕は言いました。
「このまま放っておいたら腫瘍が大きくなってご飯が食べられなくなります。今でも相当痛いと思います。手術しましょう。」と。
もちろん手術をしても再発するかもしれません。
全身に転移していずれは癌で死んでしまうかもしれません。
大量の出血の恐れがある手術ですから、手術中に死んでしまうかもしれません。
でもご家族の皆さんはそれを承知で今のつらさから開放してあげたいという願いで、手術をご希望されました。
そして手術は大(?)成功!
すごく元気になってご飯も食べすぎて困るぐらいだそうです。
やっぱり相当痛かったんですね。
でも、発見があと1ヶ月遅かったら手術は出来なかったしょう。
でも逆に発見があと1ヶ月早ければなあとも思います。
ということで、口腔内の腫瘍は決して珍しいものではありませんので、たまにはお口の中のチェックもしてあげてくださいね。