運命の分かれ道
今日は大学の診療がお休みでしたので、久しぶりにゆったり自宅でナイターを見ています。
今日はあるワンちゃんを紹介します。
そのワンちゃんは、お腹の中に腫瘍がありました。
ある病院では「大学病院でCT検査等をしてから手術をするか決めましょう。」と言われました。
また、ある病院では「その腫瘍は癌の可能性があり、手術をした方が良いけど手術をしても治らないかもしれないし、手術自体も危険であり、老齢だから麻酔リスクもある。」と言われたそうです。
そこで、僕のところに相談に来られました。
二人の先生が言っていることは間違いではありません。
しかし、僕ははっきり言いました(もちろん検査をしてから)。
「何もしなかったら死ぬのを待つだけだよ、手術しましょう」と。
と言うのは、お腹の中の腫瘍は動物は何も言わないけれどそれがあるだけでとてもつらく、いつ破裂して大出血を起こすかわかりません。それだけで死んでしまいます。それは癌でもそうでなくても同じです。
たとえ癌で完治はムリだとしても明らかな転移所見がなければ手術をすることにより、残りの余生をお腹がすっきりした状態で過ごせます。
もし、癌でなければ手術をすれば治ってしまいます。
CT検査をしても治療法は変わりません。
もちろん手術には危険も伴い、麻酔のリスクもあります。
でも手術をしなければそのワンちゃんには明るい未来はありません(僕はそう思います)。
そしてご家族は会ったばかりの僕にその子の命をあずけてくれました。
そして手術は大成功(結構大変でした)。腫瘍は「良性(癌じゃない)」。そのワンちゃんにとって最高の結果になりました。
結局何が言いたいのかというと、ちょっと乱暴に聞こえるかもしれませんが、条件さえ整えばお腹の中の腫瘍は手術でとってあげることが一番だということです(その条件が大事なのですが)。
あっドラゴンズ負けちゃいましたね