• 反省文

    「スリーアウト、チェンジ」

    ライトを守っていた僕は駆け足で一塁側のベンチに戻っていた。

    その途中、砂地と芝が混じったグラウンドに雑草が一本生えているのを見つけた。

    僕はそれをとっさに抜こうと思った。

    そしてその瞬間、とっさに抜くのをやめた。

    その雑草は僕に何をしたんだろう。

    いや、何もしていない。

    ただ、一生懸命そこで生きていただけなのだ。

    そんな命を僕は奪おうとしたのだ。

    ただ意味もなく・・・

    伊藤夏樹