• 継続

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    お久しぶりです。もう3月も中旬です、とても暖かくなってきましたね。
    3月は卒業シーズンということで、僕も昨日無事に一年間通った麻布大学附属動物病院 腫瘍科の研修修了証をいただきました。
    小さな動物病院の院長が週に一回病院から遠く離れた大学の研修生をするということは体力的には少し大変でしたが、あゆみ先生をはじめスタッフのみんなに協力していただいたおかげで頑張ることが出来ました。
    皆様にもご迷惑をかけまして、一年間本当にありがとうございました。
    と締めたいところですが、4月からも同じように研修生を続けさせていただきます。
    この一年でとても成長させてもらいましたが、もっと成長していく為にまた続けさせてもらうことにしました。
    これからもご迷惑をおかけしますが、皆様よろしくお願いします。

    閏日

    今日は2月29日、4年に一度のうるう年にしか存在しない日です。
    でも厳密には4年に一度ではないんですよね。
    ということで、今日は久しぶりにうんちく日記です。
    地球は太陽の周りを約365.24日で一周します。厳密にはこれが一年です。しかし一年を365日としているので毎年約0.24日だけ足りないんです。なので4年に一度だけ一日分を足しているわけです。
    でも0.24日に4をかけると0.96日ですので一日分より0.04日少ないんですよね。ということは多く足してしまっているわけです。
    もちろん昔の偉い人はそこの計算もしっかりしてあって‘00の年はうるう年としないことにしたんです。そうすることにより100年かけて少しずつ足しすぎてしまった時間を修正するわけです。でも、100年に一度の割合で一日引いてしまうと今度はまた足りなくなってしまうんです。そこでまた偉い人はよく考えて400年に一度はやっぱりうるう年にしたんです。
    それでも少しはずれるそうですがもういいです。
    思えば当たり前と思っていた2000年のうるう年は400年に一度の特別なうるう年だったんですね。
    本当はもっと細かい数字なんですが今回は簡単にしておきました。 

    幸せってなんだっけ

    いきなり唐突なタイトルですが、最近そんなことを考える機会があったので書いてみました。
    「幸せ」とは「心が満ち足りた状態」と辞書には書いてありました。
    それを考えたら僕は「幸せ」ではありません。
    恐らくそんな人はこの世にほとんど存在しないのではと思います。
    僕が思う「幸せ」とは「そう思えること」だと思います。
    日々の暮らしがどんなつらいものであろうと、ちょっとした事で一瞬でも「幸せだな~」と思うことが出来ればそれは充分幸せです。
    僕はのどかな昼下がりにセロの散歩をしていると何だか「幸せだな~」と思えるし、毎日いろんな動物たちに囲まれて働いているだけで「幸せだな~」と思います。もちろんつらいことの方が多いですが・・・。
    あと、幸せそうに笑っている人を見るだけでも何だか自分も幸せになります。ということは、自分が幸せだったら周りの人も少しは幸せになる。そう考えたらまた自分も幸せですね。と、何だか宗教の勧誘みたいになってしまいました。
    動物たちは自分が幸せかどうかなんて考えてないと思います。
    宇宙飛行士は宇宙から例えようのないぐらいのきれいな地球を見ると今まで悩んでいた全ての事がとてもちっぽけに感じるそうです。
    結局「幸せってなんだっけ」という疑問はそれ自体ナンセンスなのかもしれませんね。
    ということで、いつも以上に訳のわからない、そして面白くない日記になってしまいましたが、決して心が病んでるわけではありませんのでご安心を。
       

    信頼関係

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    2月も半分を過ぎ、春の訪れが待ち遠しい今日この頃ですが日に日に寒さが増しているような気がします。

    毎年この時期はうざいぐらいに髪を伸ばして寒さをしのいできてましたが、今年は短く例年より寒さが応える気がします。

    気休めにひげを伸ばしてみましたが全く意味がありません。
    と時候の挨拶はこれぐらいにしまして、今回のタイトルは「信頼関係」です。

    これを築くことはどんな仕事でもそうかもしれませんが、僕らが診療をする上で必ず必要で一番大切なことです。
    しかし、もしかしたら病気を治すことよりこの信頼関係を築くことのほうが難しいことかもしれません。
    他の病院に通っていた動物がある病気の診断を受けたけど家族の方は不安になり、当院に来院するケースがたまにあります。

    しかし、話を聞くとその先生の診断は間違いなく説明もしっかりされており僕の入る余地など全くないということがあります。でもやっぱり信頼関係がないと家族の方は心配になってしまうんですよね。
    ということで、信頼関係というのはすぐに築けるというものではないので動物たちが若くて元気なうちから「うちの子が将来どんな病気になってもこの病院なら任せられる」というところを見つけておくといいと思います。そして僕もそう思われるように頑張ります。
    先日、雪道をノーマルタイヤの車で走ったのですが、結構余裕な僕の横で助手席に座ってるあゆみ先生は今にも泣きそうな顔で震えておりました。
    雪道の運転に関してはまだまだ信頼関係が出来てないなと実感しました。
    ちなみに写真はセロと一緒にソリを楽しもうと思ったのですがセロはとても嫌がっていました。こちらもまだまだなようです。
      

    生きる質

    突然ですが、もしあなたの命があと3ヶ月しかないとわかったときに足を骨折してしまったらそれを手術で治しますか?
    もちろん命があと3ヶ月しかない理由にもよると思いますが、僕だったら手術はしてもらいます。皆さんもきっとそうだと思います。なぜならたった3ヶ月だけでも痛いのは嫌だし、また自分の足で歩きたいですよね。
    例えとしては少し極端ですが、このような選択を迫られるケースは動物の場合でももちろんあります。特に僕が得意としている腫瘍(がん)の治療においてよくあるケースです。
    例えば骨のがんはほとんどの場合が骨以外の臓器(特に肺)に転移を起こすことが多い為、いくらがんになった骨を手術でとっても延命の効果はあまり期待できません。しかし、いくら数ヶ月の命でも手術をしてあげることによって骨の激痛から開放されるのです。
    胃のがんでもそうです。胃のがんも基本的に非常にたちの悪いものが多くて進行してしまうと完全に治すことは出来ません。しかし手術をすることによって少しの時間かも知れませんが、いままでご飯を食べてもすぐに吐いていたのが無くなり、おいしくご飯を食べることが出来るようになるんです。
    もちろん手術だって100%安全というわけではありませんので、それぞれの治療の利点欠点を十分に説明してから最終的には家族の皆様に決めてもらいます。
    ここで大事なのが決めるのが本人ではないということです。家族の皆様は自分だったらどうするかと考えて決めてあげてください。
    今日は乳がんのモルモットさんが来院し、飼い主さんとよく話し合った上で手術はしないという結論に至りました。言葉を話せない動物たちのために、家族と獣医師がその子にとってどの治療が一番いいかを話し合うことは本当に重要だと思います。そしてその話し合いが今日は十分出来た上で手術はしないという結論に至ったのだと自分では思います(単なる自己満足かも)。
       

    口腔内腫瘍

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    私、土曜日曜とお休みをいただき神奈川県で行なわれた「第27回日本獣医がん研究会」に行ってきました。ご迷惑をおかけしてすいませんでした。
    今回のメインテーマは「口腔内腫瘍」でした。
    口腔内腫瘍は悪性のものが多く、動物は言葉が話せない上にお口(奥地)の中なので発見されるは腫瘍が進行してからのことも少なくありません。
    この口腔内腫瘍の一番の治療はやはり手術になります。
    しかし相手は「がん」ですから簡単な手術では再発してしまいます。
    なので口腔内悪性腫瘍の手術はほとんどが顎の骨を含めて取る手術になってしまいます。場合によっては鼻を取ることもあります。
    顎を取るとか鼻を取ってしまうというと嫌だと思う気持ちはわかりますが、「がん」を取るんです。がんを取らないといずれ顎も鼻も全部がんに侵されてひどいことになってしまうんです。
    僕は動物たちを治療するに当たって必ずその子が将来どうなるかを考えます。関節炎だとしたら今はそんなにひどくないけど3年後には歩けなくなってしまうかもしれません。だから今からそうならないように努力してもらいます。口腔内腫瘍の手術もそうです。今は腫瘍が小さくて平気だから(多分動物的には平気ではないはず)手術はしないのではなくて、3ヵ月後に大きくなってご飯が食べられなくなってしまう前にするんです。
    先日当院で上顎の先端を切除したワンちゃんがいました。そのこは老齢で僕も手術をするかどうか迷いましたが、今はとても元気で絶好調です。
    想像したくないことですが、もし自分の家族である動物たちが病気になってしまったとき、その子の将来のことを考えた今できる最良の治療を主治医の先生とよく相談して決めてあげてください。

    ※写真は愛犬セロの若かりし頃の歯ブラシシーンです。
    歯ブラシを習慣付けることによって歯周病予防はもちろんのこと、日々の口腔内のチェックが出来るようになりますよ。