期待
少し時間がたってしまいましたが、「星野ジャパン」やりましたね。
「予選なんて突破して当たり前」「オリンピックでも金メダルしかない」といった周囲からのプレッシャーの中、期待通りのことをやってのけることは本当にすごいことだと思います。
このプレッシャーや期待、恐らく生きているほとんどの人たちが毎日のようにそれと戦っているのだと思います。
僕らの仕事で言うと例えば「避妊手術」これは病気ではない子を手術するのですから「何事もないことが当たり前」、星野ジャパンの「予選突破は当たり前」に似ています。
病気の子の手術もそうです。手術をするのだから「絶対成功しますよね」と大きな期待がかかります。これは「金メダルしかない」と似ています。
しかし治療には金メダルを狙うばかりではなく、時には銀メダルや銅メダル、もしくは予選突破を目標にすることも多くあります。
簡単に言えば完全に治らない病気もあるということです。
僕が銅メダルを狙った治療をしても飼い主さんが金メダルを期待していたら結果は落胆しかありません。
ということで、もし自分の家族が病気になってしまったら、必ずその病気について理解して治療の目標を先生と一緒に明確にしてから治療を始めましょう。
今日は、僕の後輩がこの日記をみて「先生、日記楽しかったですけど思っていたほど面白くなかったです」なんていうもんだから「笑わせるために書いてるんじゃないよ」と反論しつつ期待に応えなくてはと思いまた別に面白くはないことを書いてしまいました。
パピーパーティー
昨日、もう第何回になるのでしょうか、パピーパーティーを行いました。
この日記では紹介していませんでしたが、定期的に開催していました。
いつも見て思うことですが、やっぱり子犬はかわいいですね。
最初はかわいいだけの存在である動物たちですが、数ヶ月もするとかわいいだけでなくかけがえのない存在になり、家族になっていきます。
うちのセロ君や猫たちもかわいいペットではなく、立派な家族の一員です。
このパピーパーティーはその後10年20年を家族として一緒に生活を共にするための社会勉強の一つかなあと思います。
なんだか堅いお話しになってしまいましたが、決して大げさな話ではありません。動物たちは家族を選べないわけですから、飼い主さんはちゃんとその子を家族としてしっかり育ててあげてくださいね。
かわいがるだけでは不良になってしまいますよ。
なーんてすっかり不良になってしまったセロ君の飼い主の独り言でした。
学会発表
先日は病院をお休みさせて頂き、大阪の学会に行ってきました。
今回は勉強する為にいったのもありますが、自分も発表をしてきました。
どんなことを発表したか少しここで紹介しましょう。
演題は「肺-指症候群が疑われた猫の2例」といいます。
簡単に言えば、ネコちゃんの肺癌は指に転移しますよ。ということなんですが、もしネコちゃんに肺癌があっても言葉をしゃべらない上に症状が全くでない為に健康診断でもしなければ見つからないんです。
そこで肺癌が進行していくと、指に転移する。そこで初めて気がついて病院に行く。でも指の病変は獣医さんでも見た目では肺癌の転移とはわからないから「消毒して少し様子を見ましょう」なんてことになってしまう。そして様子を見ているうちにどんどん悪化してしまう。
といったことです。わかりましたか?
結局何が言いたいかというと、もし皆さんが大切にしているネコちゃんがびっこを引いたり、足先から出血なんかしてたらちゃんと獣医さんに検査してもらいましょうね、もしかしたら肺に腫瘍があるかもしれませんよ。ということなんです。
ということで、今回はなんだか難しい話になってしまいましたが、最近めっきり寒くなってきました。ネコちゃん、ワンちゃん、ハムちゃん、うさちゃん、フェレちゃん・・・・人間もみんな体に気をつけてがんばっていきましょう。
悲しい出来事
先日、あるワンちゃんが散歩中に突然亡くなりました。
普通に元気で普通に散歩に出かけ、いつものように仲のいいワンちゃんとはしゃいでいた時に突然です。
そのワンちゃんにとってはほとんど苦しまずに天国に旅立てたと思うので幸せかもしれませんが、残された家族にとってはこれほど悲しいことはありません。
この突然死、決して多いことではありませんが珍しいことでもありません。
もしかしたら動物にとっては突然死ではないのかもしれません。
というのは、動物たちは言葉を話すことが出来ません。性格によっては弱みを見せない子もいます。少し元気が無いぐらいだと年のせいにしてしまっているかもしれません。
突然死の原因はいろいろあります。
僕が専門で勉強している腫瘍でも突然死は起こります。
例えば肝臓腫瘍や脾臓腫瘍、これらの臓器は血液の塊のようなもので腫瘍が破裂することにより大出血を起こします。そして出血性ショックにより死んでしまいます。
また、心臓の腫瘍や心筋症など心臓が原因で突然死することも多いです。
どちらも初期では簡単な検査ではわからないことが多い為、動物病院に普段通っていても見つからないこともあるのです。
ということで、僕も30歳を超えて一度は人間ドックに行かなければいけないなあと思っている今日この頃ですが、ワンちゃんやねこちゃんも5歳を超えたらドックをすることをお勧めします。
無題
先日、ある動物病院の院長先生が逮捕されたというニュースを聞きました。
近所の評判はあまりよくなかったようですが、なのになぜ病院はつぶれず経営が成り立っていたのでしょうか?
僕も病院の経営者の一人なので分析してみました。
①365日24時間診療:これは飼い主さんは安心ですよね。当院も24時間体制で連絡が取れるようにはしていますが、2人の獣医師しかいない現状ではできる処置も限られて、状態によっては夜間専門の救急病院を紹介することも少なくなくありません。
②診療対象動物が豊富:特に爬虫類などは診てくれる病院は少ないのでそれだけでもはやりそうですよね。でも実際僕には犬、猫、ウサギ、フェレット、ハムスターで精一杯。それぞれの動物で病気や治療法が違うのですから勉強するのが大変です。もしこの先生が本当に全ての動物の診療が出来るのならスーパードクターです。
③高い診療費:よく動物病院は高いといわれますが、最近は人間並みの検査と治療を行ないますから人間と違って全額負担の診療費は高いと思われがちかもしれません。なのでこれは病院が成り立っている要因とは関係ないです。でも、診療に見合っていない不当な請求をしていれば別ですがね。
スタッフが一人しかいない病院で①や②を続けていたその病院はやっぱり無理があったのではないでしょうか。僕は自分の出来る範囲でやって行きたいと思います。
医者と患者の関係はしっかりした信頼がないと成り立たないと思います。
なので、皆さんも動物病院は病気になったときに慌てて探すのではなく健康なときにも連れて行くことが大事だと思いますよ。
日本一
やりました!中日ドラゴンズ日本一です。
中村紀洋選手が泣いていましたね。これまでの道のりがよっぽどつらく過酷なものだったんだろうと思います。
僕が流した涙の記憶をさかのぼると、覚えているのは確か高校2年生のときでした。一応ピッチャーをやっていた僕は練習試合で先発を任されたのですが、一回か二回で自滅して降板させられました。
それまでのつらい練習が全て無意味に感じて悔しくてその試合中はベンチ横でずっと泣いていました。
もうひとつ覚えているのが大学2年生のとき、バンドでベースを弾いていた僕ですが、サークル内の何かでベース部門の賞をもらったときにそれまでがんばって練習したことが成果となって表れたのがうれしくて飲み会の席で大泣きしてしまいました。
ひとつは悔し泣きでひとつは嬉し泣きですが、両方とも僕にとって必死に努力していた大切な青春の1ページです。
その後、ピッチャーとしてもベーシストとしてもパッとしなかったのは努力が長続きしない僕の悪いところです。
最近はかなしいことに涙を流すことはほとんどありません。
治療の甲斐なく亡くなってしまった動物に対し悔し涙を流し、全力投球の治療で全快した動物に嬉し涙を流す。
そんな中村選手のように仕事で涙を流せる日本一熱い獣医師になりたいなあと思いました。









