• 続投宣言

    今日でちょうど5年。
    「なつきどうぶつ病院」が開院して5年になります。
    長いようで短い、いや、短いようで長い5年でした。
    20代といってもまだ信じてもらえてた僕ももうすぐ36歳、
    大分薄くなってきました(何が?)。
    院長という仕事をやっていて本当に痛感することが責任感というやつですね。
    今まで勤務してきた病院では担当になった子を必死に診ていたわけですが、院長になった今は「この子の一生を僕が診るんだ」という気持ちで診ています。
    開院当初に初めて病院にやってきた子犬や子猫たちがもう5歳ですからね。
    これからその子たちが10歳15歳になっていくわけで・・・
    考えたくないけど、最期のときはあるわけで・・・
    まだ5年ですから「ゆりかごから墓場まで」を診た子はいませんが、最期の時にご家族の方が「この子は幸せだったね」と言えるような一生を少しでもお手伝いできたらいいなあと思います。

    この5年間で総理大臣は5人も代わりました。
    岡ちゃんも監督はもうやらないそうですが、
    院長は辞められません。 

    悪い後味

    またまた久しぶりの更新になりましたが、今日は反省日記です。
    先ほどある方が「ネコがいなくなったので、何か情報が入ったら連絡して欲しい」といったようなことで当院に来院しました。
    基本的に受付業務や電話対応は看護士さんがやっているので、
    その内容を院長である僕に伝え、その後の対応を指示しています。
    実はそのやり取りが診療を円滑に進ませる為に非常に大事なのです。
    しかしながら、社会に出たての新人さんはそれがなかなかうまくいかないんです。
    なので僕はそれを実践させながら厳しく指導しています。
    そこで前述の件なのです。
    いつものように看護師さんが用件を聞き、僕に伝えに来たのですが、
    やはり何を言いたいのかがうまく伝わってこない。
    なんとなくはわかるので、そこで僕がすぐに対応すればよかったのですが、教育の意味も込めて、的確に伝わるまで何度も聞き直してしまっていました。
    その間2,3分でしょうか、ネコがいなくなって一刻も早く見つけたいと急いでいる方をむやみに待たせてしまい、さらにそんなやり取りをなんとなく聞かせてしまったようで・・・
    結局、「もういいわ」とその方は怒って帰ってしまいました。
    いくら怒られても挽回できればいいのですが、ネコの特徴も連絡先も言わずに帰ってしまったので、僕らにはもうネコが無事に家に帰るのを祈るだけです。
    社会にでて10年以上経ってる僕が一番未熟なようです。

    深イ(イ)話

    natsuki_739833527444611a

    先日、病院の診療が終わり片付けをしていたところに母親がネコを抱えて病院にやってきました。
    「この子の様子がおかしいんだけど診てくれる?」とのこと。
    その子は背中に大きな怪我をしており、激しい脱水があり衰弱しきっている状態でした。
    すぐに応急処置をして、入院となりました。
    もう少しで一週間が経ちますが、やっと元気になってきました。
    ということで、
    母親に「何とか治りそうだよ」と言うと。
    「ありがとう、あんたが獣医じゃなかったらあの子死んでたよ」
    と言われました。
    この言葉、素直に喜んでよいのでしょうか。
    ダメですよねぇ

    息子が獣医じゃない家庭なんてたくさんありますから・・・

    う~ん   

    消化管内異物

    このところワンちゃんのお腹をよく切っている気がします。
    「最近よく吐く」とか、
    「元気がない」とか、
    「お腹を触ると痛がる」とか・・・
    僕らは一般的な問診と身体検査から
    「お腹の中に何か詰まってるかな?」と感じます。
    そこでレントゲンを撮ると・・・
    びっくり。
    「何か変なものがお腹の中でつまっています。」
    ということもあれば、
    「大きな異常はありません。」
    ということもある。
    単純のレントゲンではわからないときはバリウムなどの造影剤を飲ませます。
    そうすると、レントゲンでは写らなかったものが見えてくることもよくあります。
    それでもわからない場合は内視鏡(胃カメラ)を使います。
    消化管異物にはいろいろなものがあります。
    野球のボールやテニスボール、バスタオルにウンチが入ったビニール袋などなど・・・
    大型犬は何を食べていても不思議ではありません。
    スーパーボールに髪留めのゴム、鳥の骨や画びょう、細いロープのようなものや大量の石などなど・・・
    小型犬も危険です。特にダックスフントは・・・。
    ワンちゃんたちは人間の赤ちゃんのようなものなので目の前にものがあれば飲み込んでしまうのは仕方ありません。
    しかし困るのは、この飲み込んだことをご家族の誰も気づいていないことが多いのです。
    そうすると、病院へ行くのも遅れますし、診断にも苦労します。
    ということで、知らないうちに変なものを食べないようにちゃんと管理するようにしてくださいね。
    ご家族の注意で防げるこんな手術はしたくありません。
    ちなみに、うちのセロ君も以前僕の目の前で小さなボールを飲み込んでしまったことがありました。
    そのときはすぐに吐かせる処置をして大事には至りませんでした。
       

    悲しくも嬉しいこと

    今日、あるワンちゃんのご家族の方からお手紙を頂きました。
    内容はそのワンちゃんが亡くなったことと、今までのお礼でした。
    悲しい知らせなのですが、正直とても嬉しいんです。
    重い病気やひどい怪我を治した時に頂く「ありがとう」という言葉もとても嬉しいのですが、
    「治った」という事実だけで充分なんです。
    しかし、治療の甲斐なく亡くなってしまった場合、
    いくら一生懸命治療をしたからといっても「亡くなった」という事実は
    とてもつらいんです。
    そんな時、ご家族の方から
    「ありがとうございました。最後に先生に診てもらってよかったです。」と言ってもらえると本当に嬉しくて泣けてきます。
    お手紙ありがとうございました。
    明日からもがんばります。 

    謹賀新年

    どうも、明けましておめでとうございます。
    昨年は確か「たくさん更新するぞ」宣言をしたはずでしたが、例年通り徐々に減っていき、年末の挨拶も書けないまま年を越してしまいました。
    昨年は結構いい一年だったなあなんて思っていたのですが、
    年末にちょっとした事件が起きまして「人生そう簡単にはいかないなあ」と思わされた2009年でした。
    さて、今年もいろいろな方々から年賀状を頂きました。
    この日記を開始して以来、毎年「日記楽しみにしているよ」と
    応援のお言葉を頂いていましたが、最近はそんな言葉もめっきり減ってきました。
    それもこれも怠けた僕のせいですから仕方ありません。
    でもそんな中、ある大先輩の先生から頂いた年賀状に
    「ブログ覗いてみるよ」なんて書かれていました。。
    そんな大先輩に見てもらっても「なんじゃこれ」で終わってしまいそうなブログですが、自分の趣味として細々と続けて生きたいと思います。
    そしてたまには皆様の役に立つような情報も発信できたらなあ
    と思います。
    それでは今年も皆様と皆様の家族の健康と世界の平和を願って新年の挨拶を終わらさせていただきます。

    追伸 今年はある事情(年末の事件とは無関係)で年賀状を一枚も書いていません。ごめんなさい。